大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和44年(オ)71号 判決 1969年4月15日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山口敏男の上告理由第一・二点について。

原判決が、手形面の記載以外の事実に基づいて行為者の意思を推測して記載を変更ないし補充解釈することができず、かつ、支払人の記載が明白な誤謬であるとも認められないとしたうえ、本件手形の支払人は訴外南本一朗であつて、被上告人でないことが明らかであるとして、被上告人の本件為替手形の引受を無効であるとした原判決の結論は、手形行為についてはその外観を重視して解釈すべきことにかんがみれば、当審も、正当として、これを是認することができる。

原判決には、所論のような違法があるとはいいがたく、所論は、結局、採用しがたい。同第三点について。

所論の点の原判決の判断は相当である。

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の認定していない事実を前提とし、または、証拠の取捨・判断、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 田中二郎 裁判官 下村三郎 裁判官 松本正雄 裁判官 飯村義美 裁判官 関根小郷)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例